単価が上がったとき、私はその月の入金額しか見ていませんでした。
増えるのは手取りだけではありません。保険料と税金も増えます。ただ、増え方には時間差がありました。上がった実感が請求書として届いたのは、1年あとです。
実際に払った金額が3年ぶん残っていたので、そのまま並べます。
⚠️ 先にお断りしておくと、この記事は制度の説明をしません。保険料の計算方法や、どちらの制度が有利かといった話は書いていません。書いているのは、私がいくら払ったかと、それがいつ変わったかだけです。
先に結論
- 健康保険料は、任意継続の20,400円から、国民健康保険の40,400円まで上がりました(いずれも私の場合の1回あたりの金額)
- ★ いちばん大きな段差は2026年7月で、31,400円から40,400円へ29%増えました。これは2025年の所得が反映されたものです
- 所得税は74,500円 → 150,000円 → 216,000円(確定申告での納付額)
- ★ 所得税だけは、その年の所得と同じタイミングで来ます。住民税と国民健康保険は、その1年あとでした
- 国民年金だけは、所得が増えても変わりませんでした
- 独立したとき、私は国民健康保険ではなく任意継続を選びました。ただし任意継続は2年で終わります
私の場合の金額です。保険料は加入している組合や住んでいる自治体、所得によって変わります。自分の場合どうなるかは、自治体や健康保険組合の案内で確認してください。
払う回数が違うので、年額には直していません
先に、この記事の数字の読み方を決めておきます。
私が払っている4つは、払う回数がそれぞれ違います。
| 支払い | 私の場合の回数 |
|---|---|
| 健康保険(任意継続) | 毎月 |
| 健康保険(国民健康保険) | 年10回 |
| 住民税(普通徴収) | 年4回 |
| 国民年金 | 毎月 |
| 所得税 | 年3回(予定納税2回+確定申告後の精算) |
回数が違うので、この記事では1回あたりの金額をそのまま載せ、掛け算して年額に直すことはしません。1回あたりが2倍でも、払う回数が違えば年に払う額は2倍になりません。
国民健康保険の納付回数は自治体によって違います。8回・9回・10回などの分け方があり、10回は私の自治体の話です。所得税の予定納税も、前年の税額が一定以上の人が対象です。
健康保険は、3年で20,400円から40,400円になった
いちばん動いたのが健康保険でした。
| 時期 | 1回あたり | 制度 |
|---|---|---|
| 2023年7月〜2024年3月 | 20,400円 | 任意継続(1年目) |
| 2024年4月〜2025年6月 | 22,800円 | 任意継続(改定後) |
| 2025年8月〜2026年3月 | 31,400〜31,500円 | 国民健康保険(1年目) |
| 2026年7月〜 | 40,400 → 40,000円 | 国民健康保険(2年目) |
⚠️ 上2つと下2つは別の制度で、払う回数も違います(任意継続は毎月、国民健康保険は年10回)。並べているのは金額の推移であって、制度どうしの損得の比較ではありません。
独立したとき、国民健康保険ではなく任意継続を選んだ
独立の準備をしていた2023年7月、私は両方を調べて比べています。カレンダーに記録が残っていました。国民健康保険との比較を終えたのがその日の14時20分、任意継続の申請書を作ったのが14時55分です。35分後には申請書を書いていました。
フリーランスの独立準備について書かれた記事を読むと、国民健康保険への切り替えしか出てこないことが多いと感じます。私が調べた範囲では、会社員時代の健康保険を続ける選択肢もありました。
ただし、どちらが有利になるかは人によって違います。私は自分の条件で比べて任意継続を選んだ、というだけです。同じ計算をすれば逆の結論になる人もいます。
任意継続でも、金額は途中で変わった
任意継続を選んだ理由のひとつは、金額が動かないと思っていたからでした。実際には動きました。
2024年4月から、20,400円が22,800円になっています。加入している側の所得が変わったからではなく、保険料そのものが改定されたためです。上げ幅は2,400円でした。
「固定だから読める」と思っていたので、ここは想定と違いました。
2年で終わり、国民健康保険に移った
★ 任意継続には2年の上限があります。2023年7月に始めた私の場合、2025年7月が最後でした。この月は資格の喪失通知と保険証の返納の記録が残っていて、支払いの記録がありません。切り替えの月です。
2025年8月から国民健康保険が始まりました。31,400円です。任意継続の最後の22,800円と比べると金額は上がっていますが、払う回数が毎月から年10回に変わっているので、そのまま比べることはできません。
私にとって想定外だったのは、この切り替えのタイミングを自分で選べないことでした。2年で必ず来ます。
2026年7月に、29%上がった
いちばん大きな段差はここでした。
| 時期 | 1回あたり | 反映されている所得の年 |
|---|---|---|
| 2025年8月〜2026年3月 | 31,400〜31,500円 | 2024年 |
| 2026年7月〜 | 40,400 → 40,000円 | 2025年 |
31,400円から40,400円で、29%増えています。
2025年は、単価が月68万円で1年まるごと稼働した年でした。売上は737万円です。その所得が反映されたのが、1年あとの2026年7月でした。
単価が上がった月には、この請求は来ていません。来たのは翌年です。
年ごとの売上そのものはフリーランスエンジニアと会社員の年収を実額で比較に、単価がどう上がったかはレバテックフリーランスの単価交渉で月68万→70万円になった実例に書いています。
住民税も、1年あとに来た
住民税も同じ動き方をしました。こちらは普通徴収の納付書1回あたりの金額です。
| 時期 | 1回あたり | 反映されている所得の年 |
|---|---|---|
| 2023年8月〜2024年1月 | 5.6万円台 | 2022年(会社員) |
| 2024年8月〜2025年1月 | 52,000円 | 2023年(独立した年) |
| 2025年8月〜2026年1月 | 70,000円 | 2024年 |
| 2026年6月〜 | 75,300 → 75,000円 | 2025年 |
ここで注目したいのは、独立した直後にいったん下がっていることです。
会社員だった2022年の所得にもとづく請求が5.6万円台で、独立した2023年の所得にもとづく請求は52,000円でした。2023年は7月からの稼働なので、稼働がまるまる1年ではない年の所得が反映されています。
つまり独立した翌年の住民税は、想像より軽いことがありました。そしてその次の年から上がります。私の場合は52,000円 → 70,000円 → 75,300円でした。
★ ここは順番を勘違いしやすいところだと思います。独立1年目に「意外と少ない」と思った金額が基準ではありません。
所得税だけは、同じ年分に来る
所得税は動き方が違いました。
| 納めた時期 | 金額 | 対象になる年 |
|---|---|---|
| 2024年2月 | 74,500円 | 2023年分 |
| 2025年3月 | 150,000円 | 2024年分 |
| 2026年3月 | 216,000円 | 2025年分 |
確定申告で納めるので、その年の所得に対応した金額がその場で出ます。住民税や国民健康保険のように、1年おいてから来るわけではありません。
3年で74,500円から216,000円になりました。
なお2026年7月には、2026年分の予定納税として53,500円を納めています。これは前払いなので、上の表とは性質が違います。
確定申告そのものをどうやっているかは、フリーランスの確定申告を自分でやったら12時間かかったとテックビズの確定申告を2年任せた記録に書きました。
国民年金だけは、動かなかった
4つのうち、所得と関係なかったのは国民年金だけです。
| 時期 | 1か月あたり |
|---|---|
| 2023年8月〜2024年2月 | 16,520円 |
| 2024年3月〜2025年3月 | 16,980円 |
| 2025年4月〜2026年3月 | 17,510円 |
| 2026年4月〜 | 17,920円 |
3年で1,400円上がっていますが、これは私の所得が増えたからではありません。国民年金の金額は所得と関係なく決まるので、単価が上がっても下がっても、ここは変わりませんでした。
売上が707万円から737万円に増えた年も、この行だけは同じ動きをしています。
4つを、時間差で並べるとこうなる
まとめると、こうなります。
| 支払い | 所得が増えると | 反映されるタイミング |
|---|---|---|
| 所得税 | 増える | その年分の確定申告 |
| 住民税 | 増える | 翌年 |
| 国民健康保険 | 増える | 翌年 |
| 国民年金 | 変わらない | — |
単価が上がった年に増えるのは所得税だけで、住民税と国民健康保険は1年おいてから来ます。
私はこれを、上がった年の翌年に請求書で知りました。
そしてこの時間差は、下がるときも同じように働きます。次にその話を書きます。
同じ売上でも、払う額は同じにならない
ここまで私が払った金額を並べてきましたが、同じ売上の人が、同じ金額を払うわけではありません。
私のまわりにも、経費をほとんど計上していないフリーランスがいます。同じくらい稼いでいても、税と保険の負担はかなり違って見えます。
⚠️ ここで他人の金額は出しません。私が確認した数字ではないからです。私が確かに言えるのは、自分の売上に対して所得税が216,000円だったということまでです。
差が出るのは、入り口が同じだからです。事業の所得は「総収入金額 − 必要経費」で決まり、この所得が所得税・住民税・国民健康保険の計算の入り口になります。経費の計上が変われば所得が変わり、3つともまとめて動きます。
ここで、この記事の時間差がもう一度効いてきます。所得税はその年の確定申告に出ますが、住民税と国民健康保険は翌年です。つまり今年やったことが、来年の請求書に出てきます。
フリーランスエンジニアと会社員の年収を実額で比較には、この逆方向の話を書きました。経費の計上を見直したら3つとも下がった、という話です。そのときも効いてきたのは翌年でした。上がるときも下がるときも、同じ時間差で動きます。
私は独立1年目、どこまで経費にしてよいか分からなかった
正直に書くと、独立した年の私はどこまでを必要経費にしてよいのかを自分で判断できませんでした。
そのとき使っていたのがテックビズです。記帳代行をお願いしていて、税理士の方にメールで相談できる状態でした。レシートを添えて「これはどう扱うのか」と聞けたので、線がどのあたりにあるのかを、自分の実際の支出で覚えていきました。
⚠️ ここで書けるのは相談できる仕組みがあったことまでです。何をどう扱ったかという中身は書きません。同じ支出でも事業の内容によって答えは変わるので、私の例をそのまま持っていっても意味がないからです。
もし相談できないまま、判断がつかないものを全部落として申告していたら、同じ売上でも所得税はもっと大きかったはずです。ただ、その金額は出しません。試算しようとすると、私がどんな所得控除を使っているかまで並べることになり、そこは公開していないからです。手取りを出さないのと同じ理由です。
そのサービスの流れはテックビズの記帳代行を1年9か月使った流れに、確定申告まで任せたときの記録はテックビズの確定申告を2年任せた記録に書きました。案件そのものを含めて1年9か月どうだったかはテックビズを1年9か月使った評判にまとめています。
税金の勉強は、3つまとめて効く
独立してから思うようになったのは、税金の勉強は割に合うということです。
単価を上げるのは相手のある話で、単価交渉を断られた記録に書いたとおり、材料をそろえても通らないことがあります。税金のほうは、自分が理解した分がそのまま自分の数字に返ってきます。しかも所得税が動けば、翌年の住民税と国民健康保険も動きます。1つ学ぶと3つに効く、というのが私の実感です。
⚠️ ただし、調べただけで決めないほうがいいとも思っています。何が必要経費にあたるかは事業の内容によって変わりますし、判断を間違えるとあとで直すことになります。私の場合も、自分で調べたうえで税理士に確認して、はじめて確証が持てました。まず自分で調べる、そのうえで税理士や税務署に確認する。この順番がいちばん納得できました。
単価が上がったときに、私が変えたこと
数字を並べ直してから、取り分け方を変えました。
単価が上がった月から、増えた分の一部をそのまま取り分けるようにしました。翌年に来ると分かっているものを、来てから慌てて用意するのをやめた、というだけです。
いまは月70万円の報酬に対して、税金と社会保険で月あたり約13万円を取り分けています。内訳はフリーランスエンジニアと会社員の年収を実額で比較に書きました。
もうひとつ変えたのは、独立してすぐの金額を基準にしないことです。私の場合、独立2年目の住民税がいちばん軽く、3年目に任意継続が切れて国民健康保険に移り、4年目に単価アップが反映されました。上がる要因が、1年ずつずれて来ています。
⚠️ 何が必要経費になるかは事業の内容によって変わります。判断は税理士や税務署に確認してください。
まとめ
私が実際に払った金額です。
- 健康保険:任意継続20,400円 → 22,800円 → 国民健康保険31,400円 → 40,400円
- ★ 2026年7月の段差が29%。これは2025年の所得が反映されたもの
- 住民税(納付書1回あたり):5.6万円台 → 52,000円 → 70,000円 → 75,300円
- 所得税(確定申告):74,500円 → 150,000円 → 216,000円
- 国民年金:16,520円 → 17,920円。所得が増えても変わらない
- ★ 上がるのは所得税だけがその年で、住民税と国民健康保険は翌年
- ⚠️ 任意継続は2年で終わる。私の場合、その切り替えと単価アップの反映が続けて来た
- ⚠️ 払う回数が違う(任意継続は毎月・国民健康保険は年10回・住民税は年4回)ので、年額には直していない
- ★ 同じ売上でも、払う額は同じにならない。所得税・住民税・国民健康保険は入り口が同じ「所得」なので、経費の計上が3つまとめて効く
- ★ 今年の判断が、来年の請求書に出てくる。1つ学ぶと3つに効くというのが独立してからの実感
- ⚠️ 他人の金額も、自分の試算も出していない。出せるのは実際に払った額まで
「単価が上がった」で終わる話ではありませんでした。上がったことを保険料の請求書で確認したのは1年後です。
私の場合の金額で、組合・自治体・所得が違えば変わります。それでも、増える順番と時間差だけは同じように来ると思っています。
独立してからの経緯は会社員からフリーランスになった全記録に、独立1件目で税務まわりをどう乗り切ったかはテックビズを1年9か月使った評判にまとめています。