独立してから、確定申告は3回しています。最初の2回は税理士に任せていました。3回目で初めて、全部自分でやりました。
かかったのは12時間です。
「どれくらい時間がかかるのか」は、やってみるまで分かりませんでした。同じところで迷う人がいると思うので、何にどれだけ使ったのかを全部書き出します。
なお、制度の説明はしません。 私が何をしたかだけを書きます。金額や控除の中身も書きません。
先に結論
- 合計12時間(Googleカレンダーに残っている作業記録から集計)
- この年の仕訳は700件ほど。使ったのはマネーフォワード クラウド確定申告、家計簿側のマネーフォワード ME、e-Tax、納付はペイジー
- いちばん時間を食ったのは決算書と貸借対照表で5時間20分
- 最後は深夜0時45分から3時55分までかかりました
- ⚠️ 12時間になったのは、半年ぶんの仕訳を溜めていたからでもあります
- ⚠️ 溜まったのは7月から。 立ち上げに6時間20分かけて手順まで作ったのに、追いついた直後から止まりました
- ★ 納付で求められる納税者用確認番号は、設定していなければ「123456」でした
- ★ 12時間で収まったのは、税理士が作った2年ぶんの書類が手元にあったから。無ければ依頼していたと思います
- 終わった20日後から、月次で準備するように変えました。2026年は7か月続いています
12時間の内訳
| 時期 | 何をしたか | 時間 |
|---|---|---|
| 1月25〜26日 | 溜めていた半年ぶんの仕訳を整理、交通費を足す | 4時間 |
| 2月15日〜3月1日 | 事業以外の申告項目を入力 | 1時間10分 |
| 3月1〜2日 | 決算書と貸借対照表 | 5時間20分 |
| 3月2日 | 提出、受理確認、納税方法の確認 | 1時間30分 |
| 合計 | 12時間 |
前半と後半で、詰まったところが違います。 前半は「探す・そろえる」、後半は「分からない」でした。
規模の目安として書いておくと、この年の仕訳は700件ほどです。1日あたり2件くらいの取引がある個人事業主、と思ってもらえば近いと思います。
使ったサービス
| サービス | 何に使ったか |
|---|---|
| マネーフォワード クラウド確定申告 | 仕訳、決算書の作成、申告書の作成と提出 |
| マネーフォワード ME | 家計簿側。ここから金額を拾って修正した項目がある |
| e-Tax | 提出。クラウド側とアカウントを連携した |
| インターネットバンキング(ペイジー) | 納付。手数料はかからなかった |
| モバイルSuica | 交通費の明細を取り出す |
会計ソフトだけでは終わりませんでした。 提出と納付でそれぞれ別のサービスに移ります。
1月:溜めていた半年ぶんの仕訳(4時間)
最初にやったのは、溜まっていた仕訳の整理です。
記録を見ると、6月から12月までの7か月ぶんをここでまとめて処理しています。 1年の前半は手をつけていたのに、後半は放置していました。
やったのはこういうことです。
- 取引を1件ずつ見て、事業のものかどうかを分ける
- 家事按分の割合を見直して、過去の分をさかのぼって直す
- 消耗品費など、分類が揃っていないものを直す
- 交通費を月ごとに足す
仕訳そのものは6月から12月ぶんでしたが、交通費だけは1月から12月まで、12か月ぶんが丸ごと残っていました。 ここを後回しにしていたことが、次の問題につながります。
2日にまたがって、合計4時間。 2日目は深夜1時35分までかかっています。
⚠️ モバイルSuicaの明細は26週で消えます
ここで1つ、取り返しがつかないものにぶつかりました。
交通費はモバイルSuicaの利用明細から拾っていたのですが、記録にこう残っています。
2025/06 26週を過ぎたのでデータ取れず
利用履歴には保存期間があって、それを過ぎると取り出せません。 私の場合、6月分だけが取れなくなっていました。
前後の月は取れているので、この1か月だけ、後から埋められませんでした。
交通費を1年ぶん溜めていなければ、6月分は取れていました。 溜めて困るのは時間がかかることだけではなく、期限のあるデータは待っていると消えるということです。
2月〜3月:事業以外の申告項目(1時間10分)
次に、事業以外の申告項目を入力しました。
入力したもののうち書けるのは、国民年金や国民健康保険といった社会保険料です。フリーランスなら誰でも納めるものなので、隠すところがありません。残りは書きません。 個人の資産や健康に関わるものが含まれるからです。
やり方だけ書くと、前年に税理士が作ってくれた書類を見ながら、同じ項目を自分で埋めていくという進め方でした。前の年の完成品が手元にあったので、「何を書く欄なのか」で迷わずに済んでいます。
任せていた2年ぶんの書類が、そのまま手本になりました。 これは後半の決算書でも効いてきます。
3月:決算書と貸借対照表(5時間20分)
ここが山でした。 12時間のうち、半分近くをここで使っています。
前半の作業が「探す・そろえる」だったのに対して、ここは単純に分かりませんでした。
触ったのは、青色申告決算書と貸借対照表まわりです。
- 貸倒引当金の繰入額
- 事業主貸と事業主借
- 期末残高の調整
- 売掛金と売上高のつながり
- 預金の流れが決算書と合っているかの確認
3月1日に2時間10分やって、貸借対照表で止まりました。 続きは翌日です。
3月2日は0時45分から3時55分まで、3時間10分やって、提出直前まで持っていきました。そのときのメモにこう書いています。
単調に知識が足りなさ過ぎて、作業量が多く感じた
作業そのものが多いというより、一つひとつで手が止まるという状態でした。調べて、直して、また合わなくて調べ直す。時間が伸びたのはここです。
提出と納税(1時間30分)
同じ日の朝10時から、提出しました。
- 確定申告書を提出(40分)。ここでe-Taxとアカウントを連携しています
- 受理の確認と、納税方法の確認(50分)
提出したら終わりではありませんでした。 受理されたかを確かめ、どう納めるかを調べる時間が、別にかかっています。
納付は、インターネットバンキングのペイジーで済ませました。銀行のサイトに入って、税金・料金の払込みから進める形です。手数料はかかりません。
⚠️ 「納税者用確認番号」で止まりました
ここで一度、手が止まりました。納付の途中で「納税者用確認番号」を求められます。
設定した覚えがなかったので調べたところ、自分で設定していない場合は「123456」でした。
知っていれば数秒、知らないと調べることになる類のものです。私は後者でした。
結果として、提出から納付まで全部ネットで終わっています。 税務署にも銀行の窓口にも行っていません。
なお、納める税金をどう毎月取り分けているかはフリーランスエンジニアと会社員の年収を実額で比較に書いています。私は年間の支払額を12で割って、毎月よけています。
なぜ12時間になったのか
12時間の中身は、性格の違う2つに分かれます。
| 時間 | 中身 | |
|---|---|---|
| 1月 | 4時間 | 溜めていた分の後片付け |
| 2月〜3月 | 8時間 | 分からなくて止まった分 |
前半の4時間は、溜めなければ1月には残っていなかった作業です。
ただし、毎月やっていれば消えるという意味ではありません。 仕訳の整理そのものは、いつかやることになります。変わるのは「いつやるか」だけです。
溜めて本当に失ったのは、時間よりデータのほうでした。 モバイルSuicaの6月分は、もう取り返せません。
そしてもう1つ、順番の問題があります。 1月を後片付けに使ったので、分からないところへ着いたのが2月と3月になりました。締め切りが近い状態で、初めて決算書に向き合っています。先に着いていれば、同じ5時間20分でも深夜3時にはならなかったはずです。
溜まったのは7月からでした
「溜めた」と書きましたが、最初から放置していたわけではありません。
税務サポートが使えなくなったあと、5月から6月にかけて6時間20分かけて会計ソフトを立ち上げ、1月から5月までの5か月分を入力して追いついています。 毎月の手順も書き残しました。
そして、7月から止まりました。 12月まで、会計ソフトを触った記録が1件もありません。⚠️ ただしレシートを入れるフォルダは、12月まで毎月作っています。 集める習慣は残って、処理する習慣だけが消えました。
手順も道具もそろっていたのに止まっています。 なぜ止まったのか、そのあと毎月回るようにするまでに変えたことは、フリーランスの記帳が続かないに分けて書きました。
12時間で収まったのは、正解が手元にあったからです
ここは、この記事でいちばん書いておきたいところです。
私が自分でやり切れたのは、税理士が作った2年ぶんの書類が手元にあったからでした。
いちばん苦戦した決算書と貸借対照表も、過去2年ぶんの完成品があります。 これがあると進め方が変わります。
- 何をどこに書くのかの正解が、先にある
- 数字が合わないときは、正解に合うように直せばいい
- 調べなくていいところを、先に切り分けられる
3月の5時間20分は「分からない」で止まった時間でしたが、止まりきらずに済んだのは、答え合わせができたからです。正解が無ければ、一つずつ「これで合っているのか」を確かめることになります。5時間20分では終わっていないはずです。
仕訳にも手本がありました
もう1つあります。
記帳代行を使っていた2年は、税理士が実際に仕訳をした帳簿が返ってきていました。 自分の取引が、どの勘定科目にどう入っているのか。それが2年ぶん、そのまま手元に残っています。
「この支払いはどう仕訳するのか」で迷ったとき、過去の帳簿を開けば答えが載っています。 調べる相手が、検索ではなく自分の帳簿でした。
資料が無かったら、依頼していたと思います
正直に書きます。この2つが無かったら、私はどこかに頼んでいたと思います。
何が正解か分からない状態で、決算書を自分で作り切る自信はありませんでした。12時間で終わったのは、その前の2年で土壌ができていたからです。
20日後、月次に戻しました
提出したのが3月2日で、3月22日から月次の準備を始めています。
やっているのは、交通費の明細を取ることと、仕訳を整理することです。記録では毎月50分から110分でした。2026年は1月から7月まで、7か月続いています。
1年ぶん溜めて12時間やるのと、毎月1時間ずつやるのとでは、合計はそれほど変わらないかもしれません。 それでも月次に戻したのは、次の2つが理由です。
- 期限のあるデータを取り逃さない(26週の件)
- 分からないところに、締め切り前ではなく普段ぶつかれる
3月の深夜に貸借対照表で止まったとき、期限が近いという事実が、いちばん効きました。
毎月やっている4つの中身と、110分が50分になった理由はフリーランスの記帳が続かないにまとめています。
来年のために、今年の分をPDFで残しました
もう1つ変えたことがあります。
今年やったことを、そのままPDFにして保存しました。 どんな手順で進めたのか、どこに何があるのかを、来年の自分が見返せるようにしてあります。
「確定申告書に予定納税額を入力する」といったことも、一緒に書き足しました。次の年の自分への申し送りです。
税理士が作った2年ぶんの書類は、私にとって正解の見本でした。 それが無くなった以上、今度は自分で作って残すしかありません。
税理士に任せていた2年は5.5時間と4.2時間でした
最後に、比較になる数字を出しておきます。
最初の2回は、参画していたエージェント(テックビズ)の税務サポートで、税理士に任せていました。 同じようにGoogleカレンダーから集計すると、こうなります。
| 年分 | 誰がやったか | かかった時間 |
|---|---|---|
| 1回目 | 税理士に依頼 | 5.5時間 |
| 2回目 | 税理士に依頼 | 4.2時間 |
| 3回目 | 自分で | 12.0時間 |
⚠️ ただし、この差の読み方には注意が要ります。
任せていた2年は、記帳代行も一緒に使っていました。 月に1回、資料を出していただけで、年内に数字がそろっている状態です。「月初に送る」という締め切りが、外から来ていました。 だから1月の作業が短く済んでいます。私が3回目に溜めてしまったのは、その仕組みが無くなった年だったからでもあります。
そして、逆向きにも効いています。 さきほど書いたとおり、3回目の12時間は、その2年ぶんの書類があったから12時間で収まった数字です。
| かかった時間 | 前提 | |
|---|---|---|
| 任せた2年 | 5.5時間・4.2時間 | 記帳代行つき |
| 自分でやった3回目 | 12.0時間 | 2年ぶんの正解を見ながら |
| 正解が無い状態で最初から自分で | — | 私は測っていません |
「任せれば7時間浮く」でもなければ、「自分でやっても12時間で済む」でもありません。 私の12時間は、その前の2年に支えられた数字です。
そのサポートで具体的に何をしたのか、対象になる条件は何だったのかはテックビズの確定申告を2年任せた記録に書きました。その年の12月まで参画している人が対象で、私は途中で離れたので3回目は対象外になっています。
月々の記帳のほうはテックビズの記帳代行を1年9か月使った流れに、エージェント自体の評価はテックビズを1年9か月使った評判にまとめました。
まとめ
3回目で初めて自分でやった範囲では、こうでした。
- 合計12時間。うち決算書と貸借対照表で5時間20分
- 仕訳は年700件ほど。使ったのはマネーフォワード クラウド確定申告/マネーフォワード ME/e-Tax/ペイジー
- 前半は「探す・そろえる」、後半は単純に分からなかった
- ⚠️ 前半の4時間は溜めた分の後片付け。ただし毎月やっても作業自体は消えず、変わるのは「いつやるか」
- ⚠️ 止まったのは7月から。 手順も道具もそろっていた。違ったのは締め切りが外から来るかどうかだった
- ⚠️ モバイルSuicaの明細は26週で消える。 交通費を1年ぶん溜めていたので、1か月ぶん取り返せなかった
- ★ 納税者用確認番号は、設定していなければ「123456」。納付までネットで完結した
- ★ 12時間で収まったのは、その前の2年で土壌ができていたから。決算書も仕訳も、正解が手元にあった
- 20日後から月次に戻した(毎月50〜110分)。2026年は7か月続いている
- ★ 来年のために、今年やったことをPDFで残した。 正解が無いなら、自分で作って残すしかない
- 税理士に任せていた2年は5.5時間と4.2時間。ただし記帳代行とセットだった
これから自分でやる人に1つだけ挙げるなら、分からないところに早くぶつかっておくことだと思います。私の場合、時間が伸びたのは作業量ではなく、締め切り直前に初めて分からないところへ来たからでした。
そしてもう1つ。手元に正解があるかどうかで、同じ作業の重さは変わります。 過去に一度でも人に作ってもらった書類があるなら、それは次の年の教科書になります。 私の場合はそれが2年ぶんありました。