ALL NOTES

組み込みエンジニアのWeb系転向|転職せずにWeb案件へ移った記録

組み込みの現場にいた私が、転職せずにWeb案件へ移った記録です。現場の分野と自分がやった作業は別物で、私の経歴は書き方のせいで組み込みに見えていました。自分の経歴を点検する観点をまとめます。

組み込みの現場にいてWeb系へ移りたいと考えたとき、多くの人は転職を思い浮かべると思います。実際、この検索で出てくる記事のほとんどが転職の体験談です。

私は転職していません。同じ会社で積んだ同じ経歴のまま、書き方を変えただけでWeb案件へ移りました。 そういう道もあるという話をします。

先に結論

  • 現場の分野と、自分がやった作業は別物。 現場が組み込みでも、作業がWebならWebと書いてよい
  • 自分では気づけない。 私はエージェントに指摘されるまで、自分を組み込みの人だと思っていた
  • 転向の手段は転職だけではない。 私はフリーランスとして案件を変えた

現場の看板と、自分がやった作業は違う

私が働いていたのは、組み込み系の製品を開発する現場です。Androidを使うプロジェクトもあったため、製品側ではC言語・C++・Java・Kotlinを使っていました。

ただ、業務はそれだけではありませんでした。製品開発を進めやすくするため、効率化のためのWebシステムも並行して作っていました。 開発者が日々使う社内向けのシステムです。

そこで私が注力していたのはバックエンドです。案件によってPythonのときもJavaのときもありました。

振り返れば、これはWeb開発です。 組み込み製品とWebシステムの両方を作る立ち位置にいました。

ところが当時の経歴書には、そう書いていません。現場が組み込みだったので、自分の経歴も組み込みとして書いていました。 書いた本人が、現場の看板に引きずられていたわけです。

どんな作業をどう書き直したかは、独立前に複数エージェントへ相談しても1か月以上案件が決まらなかった話に具体的に書いています。

この状態は、自分では気づけない

私がこれに気づいたのは、エージェントの担当者に言われたからです。

あなたがやっているのは、Webですよ

言われるまで、まったく自覚がありませんでした。自分の中では組み込みの人だったので、Webシステムの開発は「ついでにやっていたこと」の扱いだったのです。経歴書でも、そこはさらっと流していました。

現場の分野と実作業がズレている人は、たぶん珍しくありません。 SIer、受託開発、派遣、社内SE。現場の看板と、自分が実際に手を動かした内容が一致しない働き方はいくらでもあります。そしてズレていること自体に、自分では気づけません。 毎日その現場にいるからです。

だから、経歴を第三者に見てもらうこと自体が具体的な一手になります。 私の場合はエージェントとの面談がその機会でした。何を聞かれるかはレバテックフリーランスのカウンセリングを受けた記録に書いています。

これは経歴を盛る話ではない

念のため書いておきます。やっていない経験を足したわけではありません。

書き直してやったのは、実際に従事した作業を、相手が判断できる形で具体的に書くことだけです。新しい経験は1行も足していません。

むしろ、前の書き方のほうが実態を誤って伝えていました。 Webの実務をしていた人間が、経歴書の上では組み込みの人に見えていたわけです。書き直して、ようやく実態に近づきました。

経歴を実際より大きく見せることと、実態を正確に書くことは、まったく別の話です。

自分の経歴を点検する

同じズレが起きていないか確かめるなら、次の4つを見てみてください。

観点 確かめること
主語 経歴書の説明が、現場の分野の話になっていないか
作業 何を作ったかが書いてあるか(製品名ではなく、システムの種類と役割)
工程 どの工程を担当したかが書いてあるか(設計・実装・テストのどこまでか)
技術 どの技術を業務で使ったかが書いてあるか(触った程度か、実務で使ったか)

そのうえで、「ついでにやっていたこと」として流している作業がないかを見直します。私の場合、そこにWeb開発が丸ごと入っていました。

もう一つ、これは私の失敗なのですが、自分が主だと思っている業務ほど詳しく書いてしまいます。 現場の主力製品の話は詳しく、社内システムの話は数行。判断する側から見れば、Webの実務はほとんど無いように読めます。

転向の手段は、転職だけではない

私はフリーランスとして案件を探す立場だったので、転職せずに次の案件でWeb寄りの現場へ移るという選び方ができました。経歴書を書き直したあと、紹介される案件の中身が変わり、最終的にPythonの案件で参画しています。

会社員のままでも、社内の異動やアサインの希望という手段はあると思います。いずれにしても、まず経歴の書き方を直さないと、どの手段でも「組み込みの人」として扱われます。 順番としては、書き方の点検が先です。

分野に優劣がある話ではない

最後に一つ。この記事は、組み込みよりWebのほうが良いという話ではありません。

私がやったのは、自分の経歴を正確に書き直したことだけです。組み込みの経験は今も自分の一部ですし、両方を作っていた立ち位置は、むしろ説明できる幅を広げてくれました。

問題は分野ではなく、書き方が実態と合っていなかったことでした。

まとめ

  • 現場が組み込みでも、やった作業がWebならWebとして書ける
  • 書く側が現場の看板に引きずられる。 自分では気づけないので、第三者に見てもらうのが早い
  • やった事実を正確に書くことは、経歴を盛ることとは別
  • 点検の観点は、主語・作業・工程・技術の4つ
  • 転向の手段は転職だけではない。 私は転職せず、案件を変えて移った

経歴書を書き直したあと、案件探しがどう変わったかは独立前に複数エージェントへ相談しても1か月以上案件が決まらなかった話に、その後どう参画したかはレバテックフリーランスを実際に使った評判にまとめています。